20年近く会社員をしてきて、これまでいろんな上司の方と接してきましたが不満が全くなかった上司はいなかった様に感じます。みなさんも上司といえば「怒られる」「追い込まれる」「言ってることがコロコロ変わる」等のネガティブのイメージが先行するのではないでしょうか。
実際に職場の人間関係の問題の中にも「上司とソリが合わない」という悩みを持っている方は非常に多いと思います。今回の記事は
1)上司とどう接していいかわからない
2)なぜか嫌われていると感じる
3)上司からの評価を得て昇進を有利に進めたい
こういった方の参考となるような記事になっていますので、どうか最後までご覧いただければ幸いです。
まず、上司との付き合い方で大事なポイントは主に3つあります
①上司は社内のクライアントとして扱う
まず、前提として上司に対して何故不満や憤りを感じてしまうかを考えてみてください。
「上司が言ったことをやってくれない」、「上司から注意された。何もそんな言い方しなくても(言い方が冷たい)」、「上司が同期の鈴木さんにだけなんか優しい」、「上司の言ってることが昨日と変わってる。」
上記に挙げたのはよくある上司の不満”あるある”です。まず断言しますが、上記のマインドは上司を「家族的な何か」とか「学校の先生」とか、そういった類のものと認識しているが為に発生しています。
上司の仕事は貴方に何かをすることではなく、チームの目標を達成することを第一としている存在です。その為、業務上貴方の言ったことを優先すべきと考えたらやりますが、他に優先することがあれば当然そちらを優先します。
多くの方が考える理想の上司像というのは「優しく指導」してくれて「自分の能力を引き出し」てくれて、「悩みを聞いて」くれて、「相談したり寄り添って」くれるような存在をイメージする方が多いですが、それはもう上司というか「家族」とか「学校の先生」寄りの存在に近いです。
もちろん一定数そういう上司がいることも理解していますが、本来上司は部下のための都合の良い存在ではなく他にいくらでも優先するべきことがある為に、そう考える(家族的な存在であってほしいと考える)ほとんどの部下との認識にギャップが発生しています。
では、どうすればいいのか。ですが、上司の存在を「社内のクライアント(取引先)」の様な存在だと認識し直してください。
「取引先が言ったことをやってくれない」、「取引先から注意された。何もそんな言い方しなくても(言い方が冷たい)」、「取引先が同期の鈴木さんにだけなんか優しい」、「取引先の言ってることが昨日と変わってる。」
どうですかね?言ってることは一緒ですが、先ほどと比べて随分と印象が変わると思いませんか?家族の様な存在であるはずの上司が言うと違和感があっても、取引先から言われたなら仕事だから仕方ないな。と感じるはずです。
でも、なんだか同じ職場の仲間なのに機械的な関係性になりそうで寂しい感じがするな・・・
それは、逆です。なぜやってくれないんだ。なぜ寄り添ってくれないんだ。と考えて自分の中の理想の上司像と現実とのギャップに苦しむよりも、よほどストレスフルですし上司をクライアントと認識しろとは言いましたが、無表情で冷たい対応をしろとは言ってません。別にクライアントと笑い合ったり冗談を言い合ったり、熱く語る様なことなんて普通にあります。
大事なことは上司と自分との間に1本の線を引くと言うことです。その線はお互いを分断するような冷たいものではなく、お互い事故を起こさない様に並走して気持ちよくドライブするための車線のようなものです。
②上司も人間
2つ目ですが、相手も人間であるという当たり前のことを再認識することです。
上司と言ってもIQが高かったり、要領が抜群に良いとは限りません。むしろいろんなことをマルチタスクでこなすことを求められているので、すぐに忘れたり勘違いしたりすることの方が普通です。
そんな時、うちの上司は使えない。言ったことをすぐに忘れる。と愚痴をこぼしたくなる気持ちもわかりますが、そう言った部下を上司は大事にしません。
そうではなく相手も同じ人間だし、俺の頼んだこと以外もやってるから忘れても仕方ないよな。これからはメールで事前にリマインドしよう。と考える部下を上司は大事にしてくれます。
上司なんだから、公平に扱うべき。と言う意見はごもっともですが、繰り返しますと「上司も人間」です。自分のことをフォローしてくれるような部下とそうでない部下がいたら、間違いなく前者を大事にすると思います。
あとやってはいけないのは、上司というのは基本的に部下の依頼やお願いの優先度は低いのが普通です。そうなると明日までにハンコお願いしますと言っていたのに、まだ押してくれてない、とか資料のチェック頼んだのに全然やってくれてない。みたいな事がよく起こります。
だからと言って、上司からの依頼も「相手もルーズだから」ということで期限をいつも過ぎるとかギリギリに出してしまう人がいますが、これは絶対にやめてください。上司側も「いつも俺も遅れてるもんな」とか都合よく思ってくれません。普通にイラッとされるだけです。世の中全ての上司は「レスが早い部下ほど優秀」と考えています。明日17時までが期限なら今日中に出すぐらいでちょうどいいと思います。
③そもそも有能な上司が少ない構造的な組織の問題
ドラマなどで活躍する「デキる上司」が現実世界ではほとんど見かけないのは何故か。
「優秀」の定義も誰目線なのかという問題もあるが、それは一旦脇に置いたとして「チームの結果も出す」し「部下も成長させ」、尚且つ言ってることがカッコよかったり、それでいて部下の話にも耳を傾ける様な上司が現実世界ではほとんどいないのは構造的な問題があるからです。
例えば、Aという新人が営業会社に入社したとして、そこでは個人の結果を求められる。そして個人の結果を出したら昇進することになる。そうなると次はチームで結果を出すことを求められる。そこで結果を出したとして、今度はさらに大きなチームを任せてもらい、いろんな取引先の担当も持つことになる。と言った具合に昇進のたびに微妙に規模や仕事の性質的に別のものが求め続けられることになります。
そうなると、どこかのタイミングでAの不得意な分野にぶち当たることになります。だからといって日本の企業はすぐに降格したり首になったりはしない為、昇進はしないがその位置で止まることになります。そうなるとAにとって不得意で適正が薄い分野に身を置き続けざるを得ないという事が起こり、結果(その職種では)優秀ではない上司が誕生してしまうことになる。
だから貴方の目から見て有能ではないと映る上司も必ず何か優れている点があるはずだと考えて、優秀な面は素直に吸収し、そうでない部分は反面教師にすれば良いと思います。そもそもだが優秀過ぎる上司がいたとして、それも厄介なものです。自分のつけいる隙が無い為なかなか活躍できなかったりするからです。
うちの上司は上のゴマスリが上手いだけで優秀な部分はないと思うけどな〜
それも、よくある勘違いですが、上へのゴマスリも立派なスキルです。むしろ人は正しい事を言えば動いてくれたり認めてくれるというものではありません。事前の根回しや普段のコミュニケーションの積み重ねによって相手を動かすことができることの方が多いのです。
最後に
いかがだったでしょうか。上司という存在を自分の中で再定義するだけでお互いのすれ違いは随分減ると思います。
この記事が上司との関係性をより良いものにしたい方への参考になれば幸いです。
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